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 一般社団法人日本造船協力事業者団体連合会は、昭和46年8月2日、運輸大臣の許可を得て、全国組織の公益法人として発足、以来、会員(造船協力事業者団体)の総意を結集し、「造船協力事業者の経営の合理化、技術水準の向上、労働災害の防止、労働環境の改善整備等により、これが健全なる発展をはかり、併せて造船業の生産性の向上に寄与する」ために努めてきました。
 2013年4月1日 公益法人制度改革に伴い一般社団法人となりました。現在、当連合会々員構成は、45団体(会員所属事業所は約1,500事業所)となっています。事業としては、日本財団の助成事業による多彩な労働災害防止事業と技術の向上、経営基盤の強化対策・指導等を行い、又、労災保険の上乗せである独自の労災被災者支援事業を実施しております。
 造船業の中で今後も多くの役割を担うのが造船協力事業者の存在です。造船協力事業者は造船元請各社との連携を緊密に保ちつつ、船舶建造現場における専門技能集団としてその要請に応えるべく労働災害の防止、人材の育成、技能の伝承、技術力の向上を奨め経営基盤の強化に一層の努力を重ねていかなければなりません。
 この目標達成のため、今後とも組織的活動を積極的に推進し、一歩一歩着実に歩んでいく覚悟であります。関係各位におかれましては、引き続きご理解あるご指導、ご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

会 長 河西 良二
 造船協力業者にとって昭和30〜40年代は大手造船所関係の各協力会が相互に親交が深められていった組織化の胎動期であった。
 やがて昭和39年春、中国地区・北九州地区の協力会有志が一堂に会し、会合を重ね昭和42年4月「西日本造船集団連絡協議会」が発足した。また、関東地区では相前後して昭和41年5月「関東造船協力事業連合会」が結成され、両団体有志の交流がより活発となっていった。
 昭和44年2月「西日本造船集団連絡協議会」が労災死亡事故保険金増額陳情のために上京したことが契機となって、東西の造船協力業界の結束と活動が飛躍的に発展し、昭和45年10月全国組織「日本造船協力集団連合会」が誕生した。その後、昭和46年4月26日に社団法人設立総会が開催され、公益法人の設立を決議、任意団体から公益法人へと大きく飛躍することとなった。
 設立総会後の昭和46年8月2日「社団法人日本造船協力事業者団体連合会」(略称・日造協)として運輸大臣の設立許可を得て発足し、事業活動を開始した。
  • 造船協力事業者の経営合理化に関する調査、研究及び指導
  • 造船協力事業者の技術の向上に関する調査、研究及び指導
  • 造船協力事業者の労働災害の防止に関する調査、研究及び指導及び労働災害被害者の支援
  • 造船協力事業者従事者の技能の向上及び安全衛生の確保に関する教育及び訓練
  • 造船協力業に関する資料及び情報の収集、交換並びに資料の提供
  • 造船協力業に関し、政府、国会その他に対し、意見の具申又は陳情
  • その他、本会の目的を達成するに必要な事業
 少子化が進む中での人材不足及び熟練技能の円滑な継承、安全衛生並びに労働環境対策という課題に直面し、如何に生産性を上げていくかという問題が深刻化している国内の「ものづくり」産業のなかにあって、建造現場での存在度が年々高まっている造船協力業も同様の問題を抱えている。
 当連合会の会員は国内の造船業を支えていく義務と責任を持ち、積極的に安全の確保や技術、技能の向上に努めており、建造現場での役割・責任は今後一層高まっていく。
 このような情勢のなか、当連合会活動の会員が一致団結し体制を強化し、事業に取組んでいくための中期方針として「Innovation(革新)日本」を立ち上げ当連合会の活動を遂行している。

 労働災害撲滅をめざして安全衛生アドバイザー相談会、安全衛生アドバイザーの養成、労働災害バーチャルリアリティ体験教育、各種安全衛生特別教育等、安全講習会、危険予知訓練等を全国各地で実施するとともに 各種安全指導書・安全マニュアル・ヒヤリハット事例集・安全ポスターの作成・配布・ HPやブログへの掲載等の安全衛生諸活動を推進している。外国人研修生向け各国語翻訳 の安全衛生入門マニュアルも作成している。この事業は会員企業はもとより広く一般にも公開している。
 昭和57年に大型災害が頻発したため、労働省から「船舶製造または修理業」における労災保険の収支率悪化が重大な問題として提起された。これを受けて、(一社)日本造船工業会を はじめ(一社)日本中小型造船工業会が協賛で「全国造船安全衛生対策推進本部」を設置し、労災保険の収支率改善に向け全国規模の運動を開始した。その後昭和61年1月、全船安組織の 一層の強化、体制の整備を目指すため、当連合会に対しても加盟要請があり、当連合会は同 年1月16日正式に加盟した。これにより造船3団体が足並を揃えて安全衛生対策の強化・徹 底に取り組むこととなり、労災保険収支率の改善等に努めている。
 労働災害に対する企業の使用・管理責任は年々重視の傾向にあり、遺族や被災者に対する補償責任も一段と大きいものになっている。このような中、国の労災保険での補償金だけでは被災者が困窮するケースや被災者への補償が担保出来ない場合などもある。こうした事から被災者支援のセーフティーネットの構築をはかり、昭和49年9月1日より労災補償共済事業を開始した。
 また、災害補償は高額傾向であり日造協会員所属企業は任意に保険等に独自に加入し自助努力を講じているが、この保険料が企業の大きな負担となっている。そのため国の労災保険と日造協の労災補償共済事業に加えて平成13年に上乗せ保険としての団体災害補償制度を発足させた。
 日造協が保険会社と団体契約を結んでいるため保険料の割引率も大きく、会員の事業主にとっては安い保険料で高い補償が得られ、年間経費の軽減効果は大きい。

税制に関する調査・要望
 会員の所属企業が直接関係する税制項目の調査を国土交通省の指導を得て実施し、調査結果を当局に報告するとともに関係省庁等へ要望書を提出する。
融資の指導等業務
 日本財団の一般運転資金及び設備資金借入れに関し、事業者団体としての証明書を発行するとともに、申請事務に協力する。
 当連合会は創立当初から、企業経営の改善・合理化対策事業として、経営・財務・労務等の諸問題解決のため、作業の効率化、設備の近代化、新規需要の開拓、企業の活性化等に関する調査研究、情報の収集・活用システムについての調査・検討等を実施している。また、人材確保事業として造船地域の行政と協力し人材のマッチングや、新たな求人方法の提案、導入等を勧めるとともに、外国人材の活用などの労務講習会を開催して、造船協力事業者の経営基盤の強化・体質改善に努めている。
 造船協力事業者の技術の向上を図るため、溶接等技術指導の実施、技術指導書・技能教育研修ビデオの作成・配布、教育機材の整備等会員のニーズに即した指導を行い、技能の維持・ 向上に努めている。また、他団体と連携し造船技能開発センターによる技能者育成支援事業に取り組み、溶接やぎょう鉄、塗装等造船に特有な技能の伝承を行っている。
日造協塗装部会
 船舶塗装工事の大半を造船協力事業者が施工しているという実情から、当会にとって塗装業対策は最重要対策の1つである。各支部塗装部会代表者からなる日造協塗装部会を定 期的に開催し塗装技術・塗装作業の安全・技能資格制度の調査研究並びに情報交換等を行っている。また、部会員の協力を得て刊行した「塗装技術ハンドブック(基礎編)」や「船舶塗装技能教育ビデオ」は簡潔で分かりやすい内容となっていることから船舶塗装の初心者向けテキストとして、会員企業はもとより各方面で高く評価されている。
日造協企画部会
 造船協力事業の一層の発展を図るため会員所属企業の若手経営者を主体に日造協企画部会を設置し、造船協力業の発展及び経営基盤の強化に係わる情報の収集・調査・研究及び協議を行っている。
機関紙発行
 機関紙「日造協」を毎月1回5,500部発行し、行政関係記事をはじめ日本財団諸事業の紹介、当連合会事業の実施状況及び成果の公表、各種情報等を掲載し、会員間の連帯協調の気運を高めるとともに、会員の資質の向上の資としている。対外的には本会の諸活動をPRし、新規会員加入の資としている。
ホームページ開設
 一般にも広く造船協力業のPRを行うためホームページを開設している。
業界誌広告掲載
 業界誌に当連合会の事業内容等を発表するとともに、当連合会の広告掲載を行いPRを行っている。
 春・秋の叙勲、褒章、海の日表彰など各種表彰について当連合会会員及び所属企業の有資格者を関係省庁等へ推薦し、受章者への記念品贈呈を行っている。
総会講演会開催
 当連合会会員の所属事業所数は約1,500事業所に及び、他の団体と異なった協同組合・協力会で構成しているため、会員所属企業間の連帯と協調を深めるために多数の参加のもとに毎年6月に定時総会を開催している。会議終了後に有識者を講師に招き、時宜にかなった有意義な講演会を開催し、会員の資質の向上及び現状認識の把握に努めている。
総会懇親会開催
 会議及び講演会終了後に、会員所属企業多数の参加を得、関係省庁、関係団体、元請造船各社等の関係者を招待し、相互の親睦を図る。
1.会 員
普通会員:45団体
賛助会員:25社8団体
2.役職員
会長 1名 副会長 5名 専務理事 1名 常務理事 1名
理事 44名 監事 4名 職員9名
3.運営資金
当連合会は、造船所ごとに造船協力事業者(下請事業者)が組織した協同組合・協力会を会員とする一般社団法人です。当連合会の運営は会費収入のほか、発足当初より国土交通省当局のご指導のもと、競艇公益資金による日本財団の資金援助を得て現在に至っている。